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2011年10月26日水曜日

宝尽くしの柄 形と意味


今日は「宝尽くし」の柄について説明します。


最初にいつも文様について参考にしている「きもの文図鑑」からの抜書き。

宝尽くし(たからづくし)

吉祥文様のひとつで、宝物を集めた文様です。
如意宝珠(願いのかなう宝のたま)、宝やく(かぎ)、打ち出の小槌、金嚢(きんのう、金銭を入れる袋)、隠れ蓑(かくれみの)、隠れ笠、丁子(ちょうじ)、宝剣、宝輪、法螺などを散らします。
福徳を招く文様として喜ばれ、祝儀のきものや帯などによく用いられます。


次に個別の模様について柄を入れて説明します。 


隠れ笠(かくれがさ) ・ 隠れ蓑(かくれみの)
左 隠れ笠(かくれがさ)
右 隠れ蓑(かくれみの)

危険な事物から姿を隠し守ってくれる。
「保元物語」で、「笠や蓑をかぶると姿が見えなくなる」と表現されている。
隠れ笠は男性の文様。
隠れ蓑は女性の文様。


丁子(ちょうじ)
丁子(ちょうじ)

どちらも丁子の図柄(実を図案化)。
南洋(モルッカ諸島)の果物(クローブ)で、平安時代、絹等と共に日本にもたらされた。
貴重な薬・香料(乾燥させたつぼみ)・染料
夫婦円満・健康・長寿

  

 宝珠(ほうじゅ) 打ち出の小槌(うちでのこづち)
 左 宝珠(ほうじゅ)
右 打ち出の小槌(うちでのこづち)

宝珠 ・・・何でも意のままに願いを叶える宝。
      「如意宝珠」(にょいほうじゅ)と呼ばれる。
      密教の法具。
      丸くて先がとがっており、その先端と両側から火焔が燃え上がっている。         
打出の小槌・・・願いを叶えてくれる。
          敵を討つ。



金嚢(きんのう)・宝袋(たからぶくろ)  宝鍵(ほうやく)
左 金嚢(きんのう)・宝袋(たからぶくろ)
右 宝鍵(ほうやく)
  
金嚢・宝袋・・・財宝を入れる袋・巾着袋
宝鍵・・・宝の倉庫の鍵
     開く・あける  富の象徴



 巻物(まきもの) 軍配(ぐんばい)
 左 巻物(まきもの)
右 軍配(ぐんばい)

 巻物・・・知恵・知識
軍配・・・勝負の采配を決定づける



分胴(ふんどう)
分胴(ぶんどう)

秤で金の重さを量るのに使うおもり。
富の象徴。



 七宝(しっぽう) 花輪違い(はなわちがい)
左  七宝(しっぽう) 
右 花輪違い(はなわちがい)

七宝・花輪違い どちらも意味は同じ
法華経でいうところのこの世の7つの宝。
無量寿経 金・銀瑠璃(るり)玻璃(はり)硨磲(しゃこ)・・珊瑚(さんご
妙法蓮華経 金・銀・瑠璃(るり)玻璃(はり)硨磲(しゃこ)・真珠玫瑰(まいえ)
 瑠璃・・ラピスラズリ
硨磲はシャコガイの貝殻
)

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