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2011年9月22日木曜日

友禅工程  3

糊伏せ(中埋め)

彩色した柄の部分を伏せ糊(糸目糊とは別)で防染します。
地色を染める下準備です。

 中埋め糊で柄部分を伏せる
糊を置いたところに引き粉(もしくは糠)をふりかけ、糊がたれるのを防ぐ


友禅用1本糸ロックミシン
生地の端縫いをする

端縫い縫い目(ちょっとわかりにくいですね)

地入れ

染料で色を染める前に、生地全体に豆汁(ごじる) (ふのり液・地入れ用液等 糊の入った水)を刷毛で表から裏から2度ひきます。
染料は糊の入っていない液体であるため、にじみやすいのです。
染料を引く前に生地に糊っ気を与えて、染料の走りをおさえ、中埋め糊で伏せた柄部分に色が回らないようにする作業です。

この地入れの糊の分量が少なすぎると、染料が裏からまわり、柄に地色が入ります。
また、糊の分量が多すぎると、染めがむらになります。
糊のサジ加減が難しいです。

「ひく」とか、「走る」とか、専門用語になりますね。他の言葉に置き換えるのはちょっと難しいです。


地染め

20cmぐらいの刷毛を使って、一気に地色を染めます。
3丈の生地(13)を長くピンと張り手で張るため、広い場所を必要とします。(地染めの技術も)

 赤い地色を染めた直後
(写真を撮っている余裕がないので染めている写真はなしです・・・)

 自然乾燥で乾かす

左 張り手(生地の両端をそれぞれ針にはさんで柱にピンと張る 2つ一組) 
右 地染め用刷毛

蒸し

地色の染料を定着させるため、再び蒸します。


水元(みずもと)

生地についた、伏せ糊・糸目糊・余分な染料を流水で洗い流します。
長靴で川に入って、反物を洗う「友禅流し」はこの水元・水洗いのことです。

 流水で水に浸し、糊をふやかす

 少し時間を置いてから、刷毛(柔らかいハブラシ)で軽くこすって糊を落とす



湯のし

洗って乾かした反物を蒸気にあてて、絹の風合いをとりもどしピンとさせるアイロンのような工程です。



 染め終了(仕上がり)
(写真失敗して柄が少しぼけました。)



蒸し以降、湯のしまで、それぞれ専門の蒸し屋さん・染屋さん・湯のし屋さんにお願いしています。


下図→ 下絵→  糸目糊置き→  地入れ→  彩色→  蒸し→  糊伏せ(中埋め)→  地入れ→  地染め→ 蒸し→  水元→  湯のし



白生地から反物が染まるまで、すごく簡単に書いただけでも上のような長い工程がかかっています。
手描き友禅は、すべて、職人さんによる手仕事です。

これだけ、手間がかかる染めだから、作り手としては、オリジナルで本当にいい柄を作りたいと思っています。
コストがどうしてもかかってしまうからこそ、値段を下げるために、手を抜いた仕事をしたくはないなぁ。



ちなみに、3日間に分けてご紹介してきました染めの手順は「後染め」といいます。
柄の彩色の後に地色を染める方法です。
糯糊は、水に溶けるため、水につけると一度に糯糊・中埋め糊が落ちてしまいます。
だから、水につける水元は1度だけです。


ゴム糊の場合、水に溶けませんから、2度水元をする「先染め」という手順ができます。
柄の彩色の前に地色を染める手順です。
そして、揮発でゴム糊を落とす「ゴム落とし」という作業も加わります。

下図→ 下絵→  糸目糊置き→  地入れ→ 糊伏せ(中埋め)→  地入れ→  地染め→ 蒸し→  水元→  彩色→  蒸し→   ゴム落とし→  水元→ 湯のし

ゴム糊は「後染め」もOK
「先染め」は地色が染めた後に柄を彩色するので、地色に合わせた色合わせができます。

ちょっと専門的過ぎましたが、どちらにしても長い工程がかかりますね。


 

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